上腕動脈の血圧について正しいのはどれか。3つ選べ。
a: 平均血圧は収縮期血圧と拡張期血圧の加算平均である。
b: 聴診法による血圧測定ではクスマウル音を聴取する。
c: 収縮期血圧と拡張期血圧との差が脈圧である。
d: 細動脈の血管抵抗増加により上昇する。
e: 交感神経興奮により上昇する。
血圧とは、血液が血管内を移動する際に、血管壁が受ける血液からの圧力のことである。臨床現場では血圧は動脈血圧を指し、静脈内の圧は静脈圧と呼んで区別している。血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗を用いて計算し測定することができる。平均血圧は、拡張期血圧+脈圧÷3で求められる。臓器灌流の指標なる。
a:平均血圧は時間的平均値をいい、拡張期血圧+脈圧÷3で求められる。
b:血圧を非観血で測定する主な方式に、コロトコフ法とオシロメトリック法がある。コロトコフ法は、聴診器を用い心臓から送り出された血流による血管内で発生する音で判定、 オシロメトリック法は、血流により発生する脈圧の振動をとらえて血圧値を判定される。
c:正解。血圧の上下の差のことを脈圧といい、脈圧から血管の状態を知ることができる。
d:正解。動脈血圧は心拍出量と末梢血管抵抗の積で表され、末梢血管抵抗とは細動脈全体の抵抗のことをさす。
e:正解。交感神経興奮により、1回拍出量と心拍数を上昇させる。さらに血管平滑筋を収縮させて血圧を上昇させる。副交感神経興奮では、心拍数を抑制することで血圧を低下させる。